よむ介護

介護を通じて考えたことを書いていきます。

新人教育について、いま思うこと

今年入ってきたフレッシュな新人、半年が経ってみんなそれなりに板についてきた。もう辞めるとか言っているやつもいるけど、入って早々にそんなこと言うのはそれなりの人間なわけで、それは折り込み済み。それも含めて、みんながんばっていると思う。



それにしても思うのは、とある本に書いてあった「KSA」のこと。つまり、Knowledge, Skill, Attitude(知識、技術、態度)なんだけど、いまの段階で大事なのはやっぱりAなんだよね。KとSは、みんなこれから磨いていくとして、Aはそうじゃない。これが最初っからブレちゃってたらもうどうしようもない。



もちろん、態度を向けるその方向性がわからないのなら、それは指導しないといけない。けど、そもそも仕事に対する真摯な姿勢というのがなければ、知識や技術が仮にあったとしてもそれが「板につく」とはならない。その振る舞い方もまた勉強かもしれないけど、Aがない人間は福祉の仕事で続けていくのは難しいだろう。ただの金儲けじゃないから。



今年の新人に関して言うと、一人だけどうしても出遅れているなあという職員がいた。その育成に途中からわたしが関わることになったのだけど、確かに時間はかかったけど、いまでは時間をかけただけの働きぶりをしてくれるようになっている。難易度の高い夜勤もこなせるようになってきている。まだまだ未熟な部分もあるけど、むしろ、これだけ寝かせたから、余裕を持って取り組めている部分もあるのだろうと思う。



そんな職員を見て思うのは、能力的にちょっと劣る部分があるかもしれないけど、その職員はそれなりに一生懸命にがんばろうと努力しているということ。Aがあるんだよね。だから、きちんと巻き返してきた。他の新人といまでは大差ないし、これからもっと伸びる可能性もある。そして、そんなポテンシャルを信じて指導していけるのは、上に立つ者として数少ない喜びかもしれないと思う。



あきらめたらアカンのよね。いま思うのは、ただ、それだけ。