よむ介護

介護を通じて考えたことを書いていきます。

人生育成

想像力のレッスン

あまり良いこととは思えないのだが、現在のわたしの部下には二十歳前後の若者が多い。そう一口に言っても、ここにたどり着くまでの経緯も個性もみんなバラバラだから、あまり一括りには考えないのだけど、おそらくひとまとまりに考えざるを得ないことという…

介護等の体験って・・・

「介護等体験」について調べていたら、すごいことが書いてあるページを見つけてしまった。 www.kyoushi.jp 曰く、 「また、施設の方は利用者の方に対して、いつも笑顔で接し、何かをやりとげることができたらほめています。このようなことは、教師という仕事…

あなたのしていることは自立支援かどうか、という視点について

ある利用者がある時こんなことを言った。「いつも温かいお茶出してくれるけど、暑くなってきたし冷たいお茶がいいわ~」。 認知症状はほとんどなく意思疎通はしっかりできる方である。そして、確かに気候は夏に近づいてきていた。さっそく、冷蔵庫に冷やした…

どういう職員がよいのか悪いのか

いまさらながら考える機会が多い。介護職員としての輝かしい姿を想像しながら、現実とのギャップを冷静に見据えながら、試行錯誤の日々が続く。 何か物足りなさを感じる新人職員をいま一歩引き上げるために、いまの段階でどこを強化していくべきなのか、ある…

独り立ちについて

職場内で「独り立ち」という表現がある。つまり、一人での勤務=夜勤ができるようになることを意味している。これは、ユニット型の施設ならではの言い方かもしれない(従来型だとワンフロアを複数人で夜勤をするのが普通なので)。 夜勤が出来るための前提は…

利用者とかかわる、ということ

来月ある研修を担当することになって、その準備をしているのだけど、どういう風にそれを伝えたらいいのか、改めて考えている。 一言でいえば、「利用者とかかわる」ということの意味を捉え返したいと思う。小手先の技術ではなくて、「それをすることで、自分…

人の顔色を伺うことについて

新人教育に関連して、これまた考えさせられたことを1つ。 入って早々ではあるが、ある新人職員がトラブルを起こした。それは、上層部を巻き込んだ形での処理が必要な深刻なものであったが、そこでの一番の被害者は何よりある利用者であった。 しかし、その新…

自分自身の問題として考えることの難しさ

現場におけるコミュニケーションにはさまざまな諸相があるわけだけど、いかにしてその場に合った適切なコミュニケーションを取るべきか、これを極めるのは非常に難しい。特に認知症の高齢者が相手であれば、新人職員がその対応の難しさに戸惑うのは当然と言…

学歴なるものについて

この業界において、少なくとも資格と関連付けるなら三福祉士(社会、精神保健、介護)のうち介護以外の2つに「大卒」という学歴が必要だ。それがなくても取れるルートは用意されているが、今時そのルートを通る人がいるのかどうか、わたしにはわからない。 …

初級編を超えて

人材育成、リーダーとして最も力を入れるべきところだと思う。 それにしても毎年のように初級編ばっかりやっている。ボチボチ中級編に行きたいと思って年間計画を立てたのだけど、入ったばかりの新人をどうにかしないと仕事が回らないから、結局また初級編を…

土を耕す、種を植える

人を育てることの前提は、人が成長することを信じ、そして願うこと。誰も成長しない人はいない、と。 しかし、一方でそのような信頼が揺らぐようなこともある。教えたことがなかなか身につかない、言われたことをすぐに理解できない、あるいは、人の話をそも…

よりよい環境づくり

環境を整えるというのはとても難しいことだ。たとえば、わたしが生まれた家や育った土地、それらは「与えられた」ものでしかない。それを自らの意思で選び/変えることはできない。 しかし、全ての環境が所与なのではない。まずもってその「環境」の意味する…

back to basics

いまの時代、なにもないところから何かを生み出すということはできないのだろう。 昨日やっていた番組で、イノベーションの前提は生活や仕事の基礎なり基盤が安定していることだという話を誰かがしていた。それを聞いて、わたしはその前提とされる安定がいか…

年末の雑感

今年一年を振り返って・・・ 立場というのは与えられるものなのか、自分で築くものなのか。 組織という中で動くのであれば、どちらとも言えるし切り分けることもできないだろう。特にポストの数がある程度決まっているのであれば、そこにどう近づくかは自分…

所作の問題

わたしはマナーとか礼儀とか、そういう人を型にはめるようなもの、根拠なく慣習的に信じられているものを殊更重んじるのには懐疑的である。自分自身がそういうマナー知らずな人間だからかもしれないけど、そんなの自由にさせてくれよと思う。 実際、日常生活…

悪い芽は早く摘む

何が起こっているのか、その時にはわからない場合というのがある。だけど何かが引っかかる。だから、後になってあれは何だったのだろうと考える羽目になる。 昨日の出来事。久しぶりに早出で出勤したら、いろいろなものが「やりっ放し」になっていてがっかり…

新人教育について、いま思うこと

今年入ってきたフレッシュな新人、半年が経ってみんなそれなりに板についてきた。もう辞めるとか言っているやつもいるけど、入って早々にそんなこと言うのはそれなりの人間なわけで、それは折り込み済み。それも含めて、みんながんばっていると思う。 それに…

正しい状態~そんなものない

いきなりですが、わたしは正直言うと、介護現場における新人教育というのがどうあるべきかというのは、よくわからないのです。自分自身はアレコレと言われる前に自分でいろいろなことを習得してしまった、というか、そんな教育体制がロクにない状態でOJTさせ…

夕暮れ症候群

わたしが実習生が来た時に、ほぼ必ず説明することがある。それは「根拠」について。なぜそのような介護をするのだろうか? それを考えて欲しい。そして知ってほしい。なんとなくとか、誰かがそうしているからとかではなく、わたしたちが行うケアという営みに…

「関心をもつ」ということ

いままでそういう機会がなかったわけではないのだが、最近ちょっとした事情で久しぶりにヘルパー2級の実習生の指導をさせてもらった。わたしが担当ではなかったのだが、その日の担当があまり介護の知識がない人だったので(って書くとそれなりに失礼ですけど…