よむ介護

介護を通じて考えたことを書いていきます。

お口の中にあるものの話

久しぶりのテキストです。

 

お仕事関係の話、かもしれません。

 

最近、口内炎ができました。いつできたかも定かではなく、いまのところいつ治るかも定かではありません。きっとストレスが原因でしょう。

 

何もしなければ支障ないわけですが、問題は食事ですね。食べるときに染みるわけです。できた部位にもよるんだけど、まあ、あまりいい部位にできなかったというか、咀嚼の際にどうしても食べ物がそこに当たってしまうわけです。避けることができないという。

 

我慢するか固くない食品(あまり噛まなくていいもの)を優先的食べるか、いまなら水分中心の栄養補給のほうが楽なくらいかもしれませんね。

 

それで気づいたことの一つに、パンは意外と食べにくいということ。昨日購入した夜勤食用のパンがちょっと固めのやつだったんだけど、咀嚼の度にどうしても患部を刺激してしまうということがわかって、仕方なく水分を早めに口にいれてふやかすようにして食べたりしてました。でも、その水分もジュースとかだとまた染みたりするから厄介。パン好きにとってはまさに痛い話なわけですねw

 

まあ、一日のうちに口にものを入れる機会がそんなに多いわけはないけど、食べることは楽しみでもあるわけで、だからこそ、口内炎ってやつは厄介だなあと思います。

 

そういえば、最近ある利用者(要介護4の女性)で、食事中に使用している義歯を外してしまう人がいてます。聞いてみたらやっぱり歯茎に痛みがあるということを言っていました(ただ、返事があいまいなことが多く、自分から意見を言わずこっちが一方的に聞いたことに答えるだけなので、本当のところはよくわからなかったりしますが)。

 

口腔内のトラブルって外見的には判断できないから、そういうの察するのは我々が気をきかせないといけないわけですね。だけど、認知症もあるので、義歯を外してしまう原因として、義歯を認識できなくなったりとかおもちゃみたいに捉えてしまったりと、そういう痛み以外の要因もあったりするのです。なので、しばらく様子をみないとわからないという状況ではあります。

 

ただ、口の中のトラブルを抱えているいまだから言えるけど、痛いもんは痛いのです。だから、食べたくても食べられない。なのにね、たとえばそれで「食事量が落ちたから夏バテだろう」とかいって、「食べなかったら余計にしんどくなるから、ちょっとがんばりましょう」とかいって、その方が食事を食べるのを励ましたりしちゃうんですよ、我々のような野蛮な介護職という人たちは。場合によっては、食事を刻んじゃったりね(実は義歯をつけているとキザミ食が歯間に入ったりして食べにくかったりするんだけど、知らない人が多い)。食事は確かに命にかかわる大事なものだけど、何割食べたかどうかにあそこまで固執する種族というのはそんなにいるもんじゃないですよ。

 

プロフェッショナルな見方をすると、我々は医者じゃないから、痛みを治すことはできないけど、せめてその痛みのつらさを認識して受け止められるようにはならないといけないわけです(そして、速やかに専門職に報告すること)。特に自分で痛みを訴えられない人に対してはね。

 

でも、やっぱりその痛みに共感できるようになるためには(コレ自体哲学的な含意があるのだけど)、「口の中が痛いといかに食べづらいか」という経験がないといけないのではないかと思ったりします。これは、経験しないとなかなかわからないですよ、本当に。で、悲しいかな、治ったら忘れちゃう類のものだったりするんだけどね。

 

ま、そういうこと言うと、健康な人間は痛みを知らないからそんな介護なんてできないじゃん、って話にもなりかねないわけですが・・・