よむ介護

介護を通じて考えたことを書いていきます。

専門性

国家資格をもって働くということ

最近、思考の停滞が著しく、あまりまとまらないことをが多いのだけど、いまの時期なので少し書き残しておく。 介護の仕事にはいろいろな側面があるが、典型的なもの、いわゆる身体介護と呼ばれるものの中に「入浴」がある。お風呂に入るということ、これに人…

想像力のレッスン

あまり良いこととは思えないのだが、現在のわたしの部下には二十歳前後の若者が多い。そう一口に言っても、ここにたどり着くまでの経緯も個性もみんなバラバラだから、あまり一括りには考えないのだけど、おそらくひとまとまりに考えざるを得ないことという…

わかろうとすることをあきらめないために

施設に入って半年も経たないある入居者がいる。以前は別の施設で生活していたとのことだが、身体状態をみると片麻痺に加え下肢筋力の低下が顕著で、奇跡的に健側の上肢を用いて自分で食事ができるが(これも利き手交換などのリハビリを経ての話である)、基…

予防的な取り組みの難しさについて

たとえば、現象として物理的に何かが現れたとしてそれを取り除くのはそれほど難しくないかもしれないが、何かが物理的に現れること自体を防ぐとなると話は変わってくる。 まずその物が現れる機序を明らかにした上で、それが発生するプロセスに介入し形になら…

あなたのしていることは自立支援かどうか、という視点について

ある利用者がある時こんなことを言った。「いつも温かいお茶出してくれるけど、暑くなってきたし冷たいお茶がいいわ~」。 認知症状はほとんどなく意思疎通はしっかりできる方である。そして、確かに気候は夏に近づいてきていた。さっそく、冷蔵庫に冷やした…

利用者とかかわる、ということ

来月ある研修を担当することになって、その準備をしているのだけど、どういう風にそれを伝えたらいいのか、改めて考えている。 一言でいえば、「利用者とかかわる」ということの意味を捉え返したいと思う。小手先の技術ではなくて、「それをすることで、自分…

自分自身の問題として考えることの難しさ

現場におけるコミュニケーションにはさまざまな諸相があるわけだけど、いかにしてその場に合った適切なコミュニケーションを取るべきか、これを極めるのは非常に難しい。特に認知症の高齢者が相手であれば、新人職員がその対応の難しさに戸惑うのは当然と言…

専門性を捨てる覚悟

最近読んだこの本の中に怪しい記述があったのでメモを。 施設ケアに役立つ 多職種協働ハンドブック ―専門的視点と24Hシートの活用 作者: 一般社団法人日本ユニットケア推進センター 出版社/メーカー: 中央法規出版 発売日: 2015/03/24 メディア: 単行本 この…

お口の中にあるものの話

久しぶりのテキストです。 お仕事関係の話、かもしれません。 最近、口内炎ができました。いつできたかも定かではなく、いまのところいつ治るかも定かではありません。きっとストレスが原因でしょう。 何もしなければ支障ないわけですが、問題は食事ですね。…

それを「楽しむ」ということ

時間の都合もあって五輪をなかなか観られないのだけど、選手がよく口にする「楽しむ」というのは、この意味を考えるとなかなか深いものがあると思う。 スポーツって世界レベルになると、己の肉体を極限まで鍛えて、何かを成し遂げようとするような過酷なもの…

前向きになれるように!

ふと思うこと。上層部の人は何を持ってわたしたちの仕事を評価しようとしているのかはわからないけど、「言われないとしない」みたいな後手の姿勢では評価されないのは確かだろう。 でも、日々変化していく利用者を前にして、懸命になりながらも抗えないもの…

隣接分野の本

家の本棚に『看護過程に沿った対症看護』という本があった。現在では第4版まで出ている看護系ではベストセラーの本の初版。 言うまでもなく内容は医学的な内容が盛りだくさんで、その手の知識があまりないわたしにとっては難解な代物だけど、現場でもよく目…

逃げ道をつくらないための資格

前にこのブログで触れた新人職員がわたしの勤める施設に入ってきて、約2ヶ月が経とうとしている。 現状を言うと、スタッフ間でその職員に対するストレスや鬱憤がたまっており、リーダーを交えて話し合いがもたれる事態にまで発展した。リーダー曰く、このま…

「関心をもつ」ということ

いままでそういう機会がなかったわけではないのだが、最近ちょっとした事情で久しぶりにヘルパー2級の実習生の指導をさせてもらった。わたしが担当ではなかったのだが、その日の担当があまり介護の知識がない人だったので(って書くとそれなりに失礼ですけど…