よむ介護

介護を通じて考えたことを書いていきます。

学歴なるものについて

この業界において、少なくとも資格と関連付けるなら三福祉士(社会、精神保健、介護)のうち介護以外の2つに「大卒」という学歴が必要だ。それがなくても取れるルートは用意されているが、今時そのルートを通る人がいるのかどうか、わたしにはわからない。



問題は、介護の方だ。これもいまの現象かもしれないが、大卒でしかも新卒でこの業界に入ってくる若者がそれなりにいる。そして、世の中の社会福祉法人の求人を見ても、普通に大卒枠でも募集していたりする。



しかし、一方で高卒でも始められる仕事ではある。高卒と大卒が同じ「新卒」として、同じように仕事をする奇妙な世界でもある。そして、大卒より高卒の方が仕事ができる、みたいなことがザラに起きる世界でもある。



はっきり言って、この業界で普通に仕事をする上で、学歴は大して関係ない。いままで経験してきた中で、「さすが大卒やな~」などと関心した新人さんになど出会ったことないしね(まあ、わたしが頭が良すぎるのでw誰が来ても相対的に知的レベルを判断してしまうのだけどさ)。言うまでもなく、お勉強のできる優秀な学生は、最初から福祉を目指していたのではない限り、この世界に入ってなど来ないのだから(よっぽどの物好きじゃない限り)、まあ、そうなるわなあということなのだけど。



ただ、だからこそ問題なのだけど、学歴によって給与面ではどうしても差がついてしまう。これは法人によって規定が異なるだろうけど、同じ仕事内容であっても、どの法人でも間違いなく大卒の方が給与面では優遇されているのだ。



だとして、大卒で入って来た職員をどう育成するかということが当然問題になってくる。彼らに期待されるのは、法人の中でもチームを引っ張っていけるような、そんな人物像だろう(じゃないと、何でわざわざ人件費の高い大卒を採用するの?って話だよ)。しかし、ただ「大学を卒業した」からといって、そんなこと期待してもいいのか、一方で考えてしまう。



つまり、学歴とは「何を学んできたか」だし、さらに言えば「何をこれから学んで行くのか」がという話でもある。ただ、大卒のライセンスを持っているだけで、中身がなければいっしょだし、何かを得ようとする向上心があれば、学歴がなくてもどうにでもなると思う。



そう考えると、新人の学歴に関わらず、先人がすべきことは、この業界の素晴らしさ、仕事の楽しさや奥深さを伝えることであり、つまり介護に対する「関心」の幅を拡げることなのではないかと思う。そして、介護について深く知ろうと思い、努力し続ければ、きちんと評価されるということ、逆に「学歴」など何の評価材料にならないということを知らしめることではないかと思う。



・・・とここまで考えて、ふと自分を顧みたりするのだけど、役職が上に行くほどに経験だけじゃ対処できないことというのが出てくるのは事実だ。その時に、身を助けるのは、これまでアホみたいに蓄えてきた(そしてここ数年散財してばっかりの)知的財産であることに気づいて唖然とする! 「~~について」研修しろって言われて、それなりの資料パパっと用意できたり、そういう能力は仕事しててもそう簡単に身につくものじゃないから。



まあ、そういうちょっと突き抜けたことしちゃったりするから「何でこんなところにいてるの?」ってたまに言われたりするんだろうねw