よむ介護

介護を通じて考えたことを書いていきます。

認知症

あるおばあさんのこと

幼いころの老人たちとの記憶。そういうものは本当に少ないけど、ふと思い出したことがあったので書きとどめておく。 近所にあるおばあちゃんが住んでいた。浴衣か寝間着かわからないけど、白地に水色の柄の服を来てたまに近所を歩いていた。そのおばあちゃん…

あなたのしていることは自立支援かどうか、という視点について

ある利用者がある時こんなことを言った。「いつも温かいお茶出してくれるけど、暑くなってきたし冷たいお茶がいいわ~」。 認知症状はほとんどなく意思疎通はしっかりできる方である。そして、確かに気候は夏に近づいてきていた。さっそく、冷蔵庫に冷やした…

エネルギーの処し方

エネルギーというのは、基本的には秘めたるものなのだろう。 ただ、どこかで開放されるタイミングというのがある。その瞬間というのは、当の本人にもわからない。気づけば満ち溢れているかもしれないし、ずっと秘められたままかもしれない。予感することぐら…

夕暮れ症候群

わたしが実習生が来た時に、ほぼ必ず説明することがある。それは「根拠」について。なぜそのような介護をするのだろうか? それを考えて欲しい。そして知ってほしい。なんとなくとか、誰かがそうしているからとかではなく、わたしたちが行うケアという営みに…

春うららを忘れずに

近所の花見スポットの桜はもうすっかり散ってしまった。 ああ、これが日本的な情緒というやつなのかなと思いつつ、サイクリングしながら暖かい気候に包まれると、ふと穏やかであたたかい気分になる。そして、何かに向かって動き出そうという気持ちが生まれる…